会社のホームページ制作、費用相場と失敗しない進め方を解説

会社ホームページ制作 Webサイト構築

「会社のホームページを作りたいけれど、いくらかかるのか見当もつかない」——そんな状態で調べ始めると、20万円と書いてあるサイトもあれば300万円と書いてあるサイトもあり、かえって混乱してしまいます。金額の幅が大きいのは、ホームページという商品が「ページ数」「デザインの作り込み」「機能」「誰に頼むか」の掛け算で決まるからです。逆に言えば、この4つの変数を理解すれば、自社に必要な予算はかなり正確に見積もれます。

この記事では、会社ホームページ制作の費用相場を依頼先別・規模別・内訳別に整理したうえで、自作と外注の判断基準、必要なページ構成、制作会社の選び方、制作の流れと期間の目安までを一気に解説します。初めて発注する担当者が、社内で予算を通し、制作会社と対等に話せる状態になることを目指した内容です。

会社のホームページ制作、まず押さえておきたいこと

なぜ今どの会社にもホームページが必要なのか

総務省の通信利用動向調査(企業編)では、自社ホームページを開設している企業の割合は9割を超えており、業種を問わず高い水準にあります。ただしこの調査は従業員100人超の企業が対象のため、より小規模な企業まで含めると開設率は大きく下がるとされ、民間調査では中小企業の開設率が5割前後というデータも報告されています。つまり「大企業はほぼ持っている、小規模企業はまだ半々」というのが実態に近い状況です。

ホームページが果たす役割は、単なる会社案内にとどまりません。実務上は次の4つが大きな柱になります。

役割 具体的な効果
信用の担保 取引前に必ず検索される。サイトがない・古いだけで候補から外れることがある
集客・問い合わせ獲得 検索や広告からの流入を問い合わせ・資料請求につなげる
採用 求職者はほぼ必ず企業サイトを確認する。募集要項だけでなく雰囲気も見られる
営業効率化 商品説明・事例・よくある質問を載せることで、商談前の説明工数が減る

どれを主目的に置くかで、必要なページも予算も変わります。「何のために作るか」を先に決めることが、費用を適正化する最短ルートです。

制作方法は大きく分けて3パターン(自作・CMS活用・外注)

制作方法は細かく分ければ「ホームページ作成ツールで自作」「WordPressなどCMSで構築」「HTML・CSSを直接書く」「制作会社やフリーランスに外注」の4つですが、実務では次の3パターンで考えると整理しやすくなります。

パターン 初期費用の目安 制作期間 向いている会社
作成ツールで自作 0〜10万円程度 数日〜2週間 予算が限られ、まず名刺代わりのサイトが欲しい会社
CMS(WordPress等)を自社構築 5〜30万円程度 2週間〜2カ月 社内に多少のIT担当者がいて、更新を自社で回したい会社
制作会社・フリーランスに外注 30万〜300万円以上 1〜6カ月 集客・採用など明確な成果を求める会社

CMSの選択肢としては、W3Techsの集計でWordPressがCMS利用サイトの約6割、全Webサイト全体でも4割前後を占め、日本国内ではさらにシェアが高いとされています。情報や対応できる制作者が圧倒的に多いため、外注する場合もWordPressが提案されるケースが大半です。

ノーコードの作成ツールでは、Wix、Jimdo、ペライチ、STUDIOなどが代表的です。無料プランから始められ、企業利用に必要な独自ドメインや問い合わせフォームを含むプランでも月額数千円程度から利用できます。

会社ホームページ制作の費用相場

依頼先別の費用相場(制作会社/フリーランス/広告代理店)

同じ10ページのコーポレートサイトでも、依頼先によって価格帯は大きく変わります。

依頼先 費用相場の目安 特徴
ホームページ作成ツール(自作) 年間0〜10万円程度 最安。デザイン・機能はテンプレートの範囲内
フリーランス 15万〜60万円程度 小回りが利き安価。スキル差が大きく、体制は1人
中小規模の制作会社 50万〜150万円程度 設計からデザイン・実装まで一括対応。中小企業の主戦場
大手制作会社・広告代理店 150万〜300万円以上 戦略設計・大規模サイト・ブランディングに強い。単価は高い

複数年で比べると差はさらに開きます。ある比較では5年トータルで、月額サブスク型が約15万円、自作が約12万円、フリーランス型が約45万円、制作会社型が約160万円という試算も紹介されています。初期費用だけでなく、5年間の総額で比較する視点を持つと判断を誤りにくくなります。

規模・ページ数別の費用の目安

制作会社に依頼した場合の、ページ数を軸にした目安は次のとおりです。

サイト規模 ページ数 費用の目安
小規模(名刺代わり) 3〜5ページ 15万〜65万円
標準的なコーポレートサイト 10ページ前後 30万〜100万円
中規模(事業紹介・事例を充実) 15〜30ページ 100万〜200万円
大規模(多事業・多言語・システム連携) 100ページ以上 300万〜500万円以上

同じページ数でも、オリジナルデザインかテンプレートか、写真・原稿を自社で用意できるか、採用サイトや会員機能などを付けるかで金額は倍近く動きます。「10ページで50万円」の見積もりと「10ページで150万円」の見積もりは、多くの場合デザインの作り込みと素材制作の有無が差になっています。

費用の内訳(設計・デザイン・コーディング・コンテンツ制作・CMS導入・SEO・サーバー/ドメイン)

見積書は多くの場合、次のような項目で構成されます。相場観を知っておくと、金額の妥当性を判断しやすくなります。

項目 相場の目安 内容
ディレクション費 制作費の20〜30% 要件整理、進行管理、社内外の調整
サイト設計(構成・ワイヤーフレーム) 5万〜30万円 ページ構成、導線設計、各ページの骨組み
デザイン費 トップ2万〜10万円/下層1万〜2万円 ビジュアル設計。オリジナルかテンプレートかで大きく変動
コーディング費 1ページ5,000〜6万円 HTML/CSS実装、スマホ対応。デザイン込みなら1ページ2万〜8万円
コンテンツ制作費 原稿1ページ1万〜5万円、撮影5万〜20万円 ライティング、写真撮影、図版作成
CMS導入費 3万〜50万円 WordPress等の導入、更新機能の設定
SEO初期対策費 5万〜30万円 キーワード設計、内部構造の最適化
サーバー・ドメイン 年間1.5万〜5万円程度 独自ドメインは年1,000〜3,000円前後、サーバーは月額数百円〜数千円
保守・運用費 月額5,000〜3万円 更新代行、バックアップ、セキュリティ対応

保守費は対応範囲で大きく変わります。サーバー維持と最低限の監視だけなら月数千円、CMSの更新代行まで含めると月2万〜5万円、SEOや改善提案まで含むフル対応では月6万円以上が目安とされています。

費用を抑えるポイント

予算を圧縮したいときに効果が大きいのは、値引き交渉ではなく「自社でできる作業を引き取ること」です。

  • 原稿と写真を自社で用意する:ライティングと撮影は外注すると数十万円単位になりやすい項目。既存のパンフレットや社内資料を流用できれば大きく削減できる
  • テンプレート/CMSを活用する:フルオリジナルデザインを避けるだけで数十万円変わることがある
  • ページ数を絞って公開する:最初は必須ページだけで公開し、事例やコラムは運用の中で追加する
  • 相見積もりを取る:ただし依頼は2〜3社が現実的。5社以上に広げると比較コストが上回りやすい
  • RFP(提案依頼書)を作る:目的・必要ページ・機能・予算・納期を文書化して同じ条件で見積もりを依頼する。条件が揃っていないと各社の提案がバラバラになり、比較そのものが成立しない

自作と外注、どちらを選ぶべきか

自作(WordPress/ホームページ作成ツール)が向いているケース

次の条件に多く当てはまるなら、まず自作から始める判断は合理的です。

  • 予算が数万円〜十数万円程度に限られている
  • 目的が「会社の存在証明」「取引先に見せる名刺代わり」であり、集客は当面求めない
  • 社内に更新作業を担当できる人がいて、その時間を確保できる
  • ページ数が5ページ程度で、複雑な機能を必要としない
  • スピード重視で、数日〜数週間で公開したい

一方で、自作には見えにくいコストがあります。担当者の作業時間、デザインの完成度、SEOやセキュリティの知識不足によるリスクです。人件費を時給換算すると外注と大差なかったというケースは珍しくありません。

外注が向いているケース

  • ホームページから問い合わせ・受注を増やしたい(集客が目的)
  • 採用に使うなど、企業イメージを左右する用途である
  • 更新を担当できる人材が社内にいない
  • 予約・会員・多言語・システム連携など個別機能が必要
  • 業界特有の見せ方があり、競合との差別化が必要

特に「成果を求めるかどうか」が分岐点です。集客を目的とするなら、構成設計・導線設計・SEOといった専門領域の比重が高くなり、自作では到達しにくい水準が要求されます。

判断のチェックリスト

項目 自作向き 外注向き
主な目的 会社案内・信用担保 集客・採用・ブランディング
予算 〜20万円 50万円〜
社内リソース 担当者を確保できる 確保できない
ページ数 5ページ前後 10ページ以上
公開希望時期 1カ月以内 2〜6カ月
更新頻度 低い 高い(ブログ・事例を継続追加)

左列に多く当てはまるなら自作、右列に多く当てはまるなら外注。半々の場合は、「設計とデザインだけ外注し、運用は自社」というハイブリッドも現実的な選択肢です。

会社ホームページに必要な項目・構成

法人サイトで標準的に必要とされるページは、おおむね次のとおりです。優先度を意識して、初回公開時に何を含めるかを決めます。

ページ 優先度 掲載内容のポイント
トップページ 必須 何の会社かが3秒で分かる。主要導線への入口を配置
会社概要 必須 商号、所在地、代表者、設立年、資本金、従業員数、許認可番号など
事業内容・サービス紹介 必須 誰のどんな課題を解決するかを、機能ではなく価値の言葉で
お問い合わせ 必須 フォーム+電話番号。入力項目は極力減らす
プライバシーポリシー 必須 個人情報の取得・利用目的・管理方法。フォーム設置なら不可欠
代表挨拶 推奨 顔写真と理念。BtoBでは信用形成に効く
実績・導入事例 推奨 具体的な社名・課題・成果。最も読まれるページになりやすい
採用情報 推奨 募集要項に加え、社員の声や1日の流れがあると応募率が上がる
よくある質問 推奨 問い合わせ対応の工数削減に直結
ニュース・ブログ 推奨 更新の生存確認。SEOの受け皿にもなる
アクセス 任意 地図、最寄駅からの経路、駐車場の有無
特定商取引法に基づく表記 条件付き必須 ネット上で商品・サービスを直接販売する場合

不動産、建設、リフォーム、運送、警備など、許認可が必要な業種では免許番号・登録番号の掲載が信用面で重要になります。業種特有の必須項目は、制作前に自社で洗い出しておくとスムーズです。

失敗しない制作会社の選び方

実績を確認する

見るべきは制作数ではなく中身です。

  • 自社と同業種・同規模の実績があるか:業界の商習慣を理解しているかで、ヒアリングの深さが変わる
  • 公開後も生きているサイトか:実績として紹介されているサイトを実際に開き、更新が続いているかを確認する
  • 成果まで語れるか:「デザインを作った」だけでなく「問い合わせが何件増えた」まで説明できる会社は、設計から関与している可能性が高い
  • 担当者が誰か:営業と制作担当が別で、受注後に体制が変わるケースがある。実際に手を動かす担当者と話せるかを確認する

公開後の運用・保守体制を確認する

ホームページは公開してからが本番です。契約前に次を明確にしておきます。

  • 更新作業は自社でできるのか、依頼が必要なのか
  • 依頼する場合の対応範囲・回数・追加料金の条件
  • 障害・改ざん時の対応窓口と復旧の目安時間
  • サーバー、ドメイン、CMSの管理権限を自社で保有できるか
  • 契約解除時にデータやドメインを引き継げるか

特に管理権限とドメインの所有者は要注意です。制作会社名義になっていると、乗り換え時に移行できず、作り直しになることがあります。

見積もり比較で見るべきポイント

金額の総額だけを並べても比較になりません。次の観点で読み解きます。

確認項目 見るべき点
内訳の粒度 「サイト制作一式」だけの見積もりは要注意。工程別に分かれているか
想定ページ数 何ページ分の金額か。追加時の単価も明記されているか
修正回数 デザイン修正が何回まで無料か。超過後の費用は
素材の負担範囲 原稿・写真は誰が用意するのか
公開後の費用 保守費、サーバー費が月額いくらか。総額に含むか別か
納期と検収条件 納品の定義、遅延時の扱い

安い見積もりは、多くの場合「原稿は自社で用意」「修正は2回まで」「テンプレート利用」といった条件が前提になっています。条件を揃えて比べることが、見積もり比較の要点です。

制作の流れと期間の目安

10ページ前後の一般的なコーポレートサイトの場合、制作期間はおおむね2〜3カ月が目安です。中小規模で2〜4カ月、大規模サイトでは半年〜8カ月かかることもあります。

工程 期間の目安 主な作業 発注側の役割
1. 企画・要件定義 2〜4週間 目的整理、競合調査、要件確定 目的・ターゲット・予算の共有
2. サイト設計 2〜3週間 サイトマップ、ワイヤーフレーム 構成案の確認・承認
3. デザイン 3〜6週間 トップ・下層のデザイン制作 素材提供、社内決裁の集約
4. 原稿・素材制作 2〜4週間 ライティング、撮影 原稿確認、撮影日程調整
5. コーディング・CMS実装 3〜6週間 実装、スマホ対応、CMS組み込み 実機での表示確認
6. テスト・公開 1〜2週間 動作検証、サーバー設定、公開 最終検収

期間が延びる原因は、技術的な問題よりも発注側の意思決定の遅れであることが大半です。実際、「要件定義と素材準備を発注前に完了させる」「デザイン確認は社内決裁を1回にまとめる」「テンプレートを活用する」といった工夫で、3〜4カ月かかる制作を1.5カ月まで短縮した事例も報告されています。逆に、写真素材の準備が遅れる、承認者が途中で増える、といった事情で1〜2カ月延びるのはよくあるパターンです。

会社ホームページ制作によくある質問

Q1. 会社ホームページ制作費の相場はいくらですか?

依頼先と規模によりますが、中小企業の標準的なコーポレートサイト(10ページ前後)を制作会社に依頼する場合、50万〜100万円程度が最も多い価格帯です。フリーランスなら15万〜60万円、作成ツールでの自作なら年間数万円、大手制作会社や広告代理店では150万〜300万円以上になります。加えて公開後の保守費が月額5,000〜3万円程度かかります。

Q2. 制作期間はどれくらいかかりますか?

10ページ前後のコーポレートサイトで2〜3カ月が目安です。自作ツールなら数日〜2週間、大規模サイトなら半年以上かかることもあります。原稿と写真を事前に用意しておくと、1カ月近く短縮できるケースもあります。

Q3. 自分たちで作ることはできますか?

可能です。Wix、Jimdo、ペライチ、STUDIOなどの作成ツールを使えば、専門知識がなくても数日で公開できます。ただし集客を目的とする場合や、デザインが企業イメージを左右する場合は、外注のほうが結果的に費用対効果が高くなることが多いです。

Q4. 費用を安く抑えるには何から手を付けるべきですか?

まず原稿と写真を自社で用意することです。コンテンツ制作費は削減インパクトが大きい項目です。次にテンプレートやCMSの活用、ページ数の絞り込み、2〜3社への相見積もりが有効です。

Q5. 相見積もりは何社くらい取るべきですか?

2〜3社が現実的です。それ以上に増やすと比較・調整の手間が大きくなり、各社への対応も薄くなります。あわせてRFP(提案依頼書)を作り、同じ条件で提案を受けることで、初めて金額の比較が意味を持ちます。

Q6. 公開すればすぐに集客できますか?

公開しただけでは検索結果に上位表示されません。検索エンジンに認識されコンテンツが評価されるまでには一定期間が必要で、一般に数カ月単位で見る必要があります。公開はスタート地点であり、更新と改善を続けることが前提になります。

まとめ

会社ホームページ制作の費用は、依頼先・規模・デザインの作り込み・機能の掛け算で決まります。中小企業の標準的なコーポレートサイトであれば、制作会社への依頼で50万〜100万円、フリーランスで15万〜60万円、作成ツールでの自作なら年間数万円というのがおおよその目安です。見積書はディレクション費、設計費、デザイン費、コーディング費、コンテンツ制作費、CMS導入費、SEO初期対策費、サーバー・ドメイン費に分解され、それぞれに相場観があります。

自作と外注の分岐点は「集客などの成果を求めるかどうか」と「社内に更新できる人がいるかどうか」の2点です。名刺代わりのサイトで十分なら自作、問い合わせや採用につなげたいなら外注が基本方針になります。

必要なページは、トップ・会社概要・事業内容・お問い合わせ・プライバシーポリシーが最低限の必須で、実績や採用情報、よくある質問を加えると信用と効率が高まります。制作会社を選ぶ際は、同業種の実績、公開後の保守体制、管理権限とドメインの所有者、そして見積もりの内訳の粒度を確認することが重要です。

制作期間は10ページ規模で2〜3カ月。延びる原因の多くは発注側の意思決定と素材準備にあるため、目的の明確化・素材の事前準備・決裁ルートの整理を先に済ませておくことが、費用と期間の両方を抑える最も確実な方法といえます。

タイトルとURLをコピーしました