ウェブライティングとは?基本の書き方とSEOライティングとの違い、実務で使えるコツを解説

ウェブライティング SEO対策

オウンドメディアの記事執筆や外部ライターへの発注を任されたものの、「ウェブライティング」という言葉が指す範囲がつかめず、何を基準に良し悪しを判断すればよいのか迷っていないでしょうか。紙の資料や社内文書は書けても、Web上で読まれる文章は勝手が違います。読者は最後まで読んでくれませんし、検索エンジンからの評価という視点も欠かせません。この記事では、ウェブライティングの定義とSEOライティングとの違い、読みやすさを支える文章構成の型、制作の基本手順、そして発注・校正の場面で使えるチェックポイントまでを、実務目線で整理します。

ウェブライティングとは

ウェブライティングとは、Webサイトやオウンドメディア、ECサイトの商品ページ、メールマガジンなど、画面上で読まれることを前提にした文章を書く技術を指します。単に「Web用に文章を書くこと」ではなく、読者がどのような環境・態度でその文章に接するかを踏まえて、構成・表現・視覚的な整理までを設計する行為だと捉えると実態に近くなります。

なぜ「Web上で読まれること」がそこまで特別なのかというと、読者の行動が紙とまったく異なるからです。ユーザビリティ研究で知られるNielsen Norman Groupの調査では、平均的なページ滞在時間から逆算すると、ユーザーがページ上の語句を読める割合は多くても28%程度、実際には20%前後にとどまると報告されています。さらに同グループの2006年のアイトラッキング調査では、ユーザーの視線が上部の横方向、その少し下の横方向、左端の縦方向という「F字」を描くように動く傾向が確認されました。

つまりWeb上の読者は、文章を頭から順に読んでいるのではなく「拾い読み」しているというのが出発点です。ウェブライティングとは、この拾い読みという前提のもとで、必要な情報を最短距離で届けるための書き方だといえます。

紙媒体のライティングとの違い

紙媒体とWeb媒体では、読者が置かれた状況が構造的に違います。主な相違点を整理すると次のとおりです。

観点 紙媒体(書籍・パンフレット等) Web媒体(記事・LP等)
読者の入口 冒頭から順に読み進めることが多い 検索結果やSNSから記事の途中に近い位置へ流入する
読み方 精読・通読が中心 拾い読み・スキャンが中心
離脱のしやすさ 手元にあるため離脱コストが高い 戻るボタン1回で離脱できる
情報量の制約 ページ数・文字数の物理的制限がある 分量の制限は緩いが、長さそのものが離脱要因になる
修正可否 印刷後は修正できない 公開後も加筆・修正・削除ができる
視覚的補助 レイアウトは制作側が完全に固定できる 端末・画面幅によって見え方が変わる

とくに実務上の影響が大きいのは、離脱コストの低さと見え方が固定できないことの2点です。紙であれば「起承転結」で最後に結論を置いても読み手は付いてきますが、Webでは結論に到達する前に離脱されます。また、制作側がPCの大画面で整えたレイアウトが、読者のスマートフォンでは意図どおりに表示されない可能性があります。

SEOライティングとの違い

現場では「ウェブライティング」と「SEOライティング」がほぼ同義で使われることもありますが、両者は目的の置き方が異なります。一般的な整理は次のとおりです。

種類 主な目的 主な読み手 重視される要素
ウェブライティング Web上で読者に情報を正確・快適に届ける サイト訪問者 可読性、論理構成、視覚的な整理
SEOライティング 検索エンジン経由の流入を獲得する 検索ユーザー+検索エンジン 検索意図への対応、キーワード設計、見出し構造
コピーライティング 商品・サービスの購買や認知を促す 見込み顧客 訴求力、ベネフィットの提示、行動喚起

関係としては、ウェブライティングが土台にあり、その上にSEOライティングやコピーライティングという目的別の技術が乗ると考えるとわかりやすくなります。SEOを意識した記事であっても、文章が読みにくければ読者は離脱しますし、コピーライティングで購買を促す場合も、Web上での読まれ方への配慮は前提です。

なお、SEOの観点でも「読者にとって有用かどうか」は無関係ではありません。Googleは検索セントラルで「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」というガイダンスを公開し、制作者が自己評価するための質問リストを提示しています。また、検索品質評価ガイドラインで示されているE-E-A-T(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)は、2022年12月に従来のE-A-Tへ「Experience(経験)」が加えられた枠組みで、実際に使った・行った人ならではの一次的な情報が評価軸に含まれるようになりました。検索エンジン向けのテクニックと読者向けの品質は、対立するものではなく重なる領域が広いということです。

ウェブライティングで求められる要素

BtoB企業のオウンドメディアで実際に評価される記事には、いくつか共通する条件があります。ここでは重要度の高い5つを挙げます。

素早く的確に情報を届ける

前述のとおり、読者はページの2〜3割程度しか読みません。したがって、知りたいことに到達するまでの時間が短いほど良い記事です。具体的には、リード文で「この記事で何がわかるか」を示す、見出しだけを追っても内容の概略がつかめるようにする、結論を各セクションの冒頭に置く、といった対応が該当します。

BtoBの文脈ではこの点はとくに重要です。Gartnerの調査では、B2Bの購買担当者が購買プロセス全体のうち供給企業との面談に費やす時間は約17%にとどまり、多くの時間を自ら情報収集することに使っているとされています。つまり読者は、限られた業務時間の合間に、比較検討のための情報を効率よく集めようとしています。「読み物として面白い」ことよりも「必要な情報が短時間で得られる」ことが優先されます。

論理的な構成

Web記事は途中の見出しから読み始められることが前提です。そのため、個々の見出しの中で論理が完結していることが求められます。前の章を読んでいないと意味が通らない書き方は、Web上では機能しにくくなります。

また、見出し同士の関係(h2とh3の階層、並列関係の見出しの粒度が揃っているか)も、構成の論理性を左右します。h2「メリット」の下にh3「導入手順」が入っているような階層のズレは、読者を混乱させるだけでなく、検索エンジンが記事の構造を把握するうえでもノイズになります。

ストレスのない文章

一文が長い、修飾関係が曖昧、主語と述語がねじれている、といった文章は、内容が正しくても読者の負担になります。読み進めるのに労力がかかると、それ自体が離脱の理由になります。目安として、一文は60字程度までに収め、一つの文に一つの内容だけを入れる意識を持つと、大きく崩れにくくなります。

検索エンジンが読み取りやすい構造

見出しタグの適切な使用、画像のalt属性の設定、内部リンクによる関連コンテンツへの導線など、構造面の整備も広い意味でのウェブライティングに含まれます。とくに見出しは、読者にとっての目次であると同時に、検索エンジンが記事の主題を理解する手がかりでもあります。「〜について」「その他」のような中身のない見出しは、どちらの読み手にも情報を与えません。

スマートフォンでの可読性

総務省の令和6年通信利用動向調査(2025年5月公表)によると、端末別のインターネット利用率(個人)はスマートフォンが74.4%で、パソコンの46.8%を27.6ポイント上回っています。BtoBメディアはPC閲覧の比率が比較的高い傾向にありますが、それでもスマートフォンからの流入を無視できる媒体はほとんどありません。

PCの広い画面では適切に見えた3行の段落が、スマートフォンでは7行や8行の「文字の壁」になります。表も、列数が多いと横スクロールが発生し、読み比べができなくなります。執筆・校正の段階で一度はスマートフォン幅で表示を確認することを、制作フローに組み込んでおくと安全です。

読みやすい文章構成の型

文章の書き方には再現性のある「型」があります。ここでは、Web記事で使用頻度の高い2つを取り上げます。

PREP法

PREP法は、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例・データ)→ Point(結論の再提示)の順に構成する型です。冒頭で結論を示し、なぜそう言えるのかを説明し、事例や調査結果で裏づけ、最後にもう一度結論に戻ります。

要素 役割 記述例のイメージ
Point 結論を先に示す 「BtoBメディアの記事は結論から書くべきです」
Reason 理由を説明する 「読者は業務の合間に拾い読みするためです」
Example 具体例・データで補強する 「調査では読まれる語句は2割程度とされています」
Point 結論を再提示する 「だからこそ、結論を冒頭に置く構成が有効です」

短時間で論理的かつ説得力のある内容を伝えやすいため、ビジネス文書やプレゼンテーションでも広く使われます。Web記事では、h2やh3の各セクション単位でPREP法を当てはめると、途中から読み始めた読者にも内容が伝わりやすくなります。

ただし万能ではありません。すべての段落をPREP法で書くと、結論の繰り返しがくどくなり、記事全体が単調になります。主張を伴うセクションで使い、事実の説明や手順の解説では無理に当てはめないという使い分けが現実的です。

SDS法

SDS法は、Summary(概要)→ Details(詳細)→ Summary(まとめ)の順に構成する型です。最初に全体像を提示し、詳細を説明し、最後に要点をまとめ直します。同じ内容を切り口を変えて3回伝えるため、記憶に残りやすいのが特徴です。テレビのニュース原稿でよく使われる構成としても知られています。

PREP法との違いは、間に挟まる要素です。PREP法が「理由」と「具体例」で結論を支えるのに対し、SDS法は「詳細」を伝えることに主眼があります。

型 構成 向いている場面
PREP法 結論→理由→具体例→結論 主張を通したいとき、比較・提案・意見を述べるとき
SDS法 概要→詳細→概要 事実や情報を正確に伝えたいとき、ニュース性のある内容

BtoBメディアでは、製品アップデートのお知らせやイベントレポート、調査結果の報告などはSDS法、ノウハウ解説や手法の比較記事はPREP法、と使い分けるとハマりやすくなります。

ウェブライティングの基本手順

記事制作は、次の6ステップで進めるのが標準的です。各ステップの目的と、実務上つまずきやすい点を整理します。

ステップ 主な作業 つまずきやすい点
1. リサーチ 検索意図の把握、上位記事の分析、一次情報の収集 上位記事の焼き直しになる
2. 構成作成 見出し(h2・h3)の設計、各見出しで書く内容の決定 構成を省いて書き始め、途中で崩れる
3. 執筆 構成に沿って本文を書く 構成を無視して脱線する
4. 読み返し 自分で通読し、論理と表現を確認する 書いた直後に確認して見落とす
5. 編集・校正 第三者による事実確認、表記統一、推敲 校正者を立てず自己完結する
6. 公開 CMS入稿、装飾、画像挿入、表示確認 入稿後の表示崩れを確認しない

この中で成果を大きく左右するのが「1. リサーチ」と「2. 構成作成」です。 記事の質の大半は書き始める前に決まっており、構成が甘い記事は、どれだけ文章表現を磨いても情報の抜け漏れや論理の飛躍が残ります。逆に構成が固まっていれば、執筆はその埋め合わせ作業に近くなり、外部ライターに発注する場合も認識のズレが起きにくくなります。

リサーチでは、検索上位の記事を確認して読者が求めるトピックを把握しつつ、そこに書かれていない一次情報を自社側で用意できるかを検討します。官公庁の統計、業界団体の調査、公式ドキュメント、自社の導入実績や運用データなどが該当します。上位記事の内容を並べ替えただけの記事は、読者にとって新しい情報がなく、E-E-A-Tの観点でも評価されにくくなります。

「4. 読み返し」は、執筆直後ではなく一晩置いてから行うと、自分の文章を客観視しやすくなります。時間が取れない場合は、音読する、文字サイズを変える、スマートフォンで表示するなど、条件を変えるだけでも見落としは減ります。

読まれる文章にするためのチェックポイント

ここでは、BtoBメディアの実務で重要度が高い項目を絞って挙げます。校正チェックリストとしてそのまま使える粒度で整理しました。

構成・論理に関するもの

  • 結論ファーストになっているか(各セクションの冒頭に要点があるか)
  • 見出しだけを読んで記事の概要がつかめるか
  • 主語と述語がねじれていないか
  • 一文が長すぎないか(目安60字以内、一文一義)
  • 指示代名詞(これ・それ・この)を多用していないか
  • 接続詞を多用していないか(なくても意味が通る接続詞は削る)

表現に関するもの

  • 業界用語や社内用語をそのまま使っていないか、初出時に説明があるか
  • 文末表現が3回以上連続していないか(「〜です」「〜です」「〜です」)
  • 冗長な言い回しを削れないか(「〜することができます」→「〜できます」)
  • 口語表現や過度なくだけた表現が混ざっていないか
  • 読点の位置が適切で、係り受けが一意に読めるか

情報の質に関するもの

  • 読者が知りたい論点を網羅しているか
  • 数値・事実に出典があるか、その出典は最新か
  • 他サイトからのコピー&ペーストや、表現を入れ替えただけのリライトになっていないか
  • 自社ならではの情報(実績、運用知見、独自データ)が含まれているか

視覚的な読みやすさに関するもの

  • 適切に改行・段落分けがされているか(スマートフォン幅で確認)
  • 箇条書きや表で整理できる情報を、文章のまま書いていないか
  • 図表や画像が内容の理解を助けているか
  • 太字などの文字装飾が多すぎないか(強調が多いと強調にならない)

このうち、コピー&ペーストと安易なリライトは、他の項目とは性質が異なる問題です。読みにくさは改善すれば済みますが、他社コンテンツの流用は著作権侵害のリスクを伴い、企業のオウンドメディアとしては事業上の問題に発展しかねません。外部ライターに発注する場合も含め、絶対に許容しないルールとして明示しておく必要があります。

生成AIを執筆に使う場合も、同様の注意が必要です。検索品質評価ガイドラインでは、人による編集やレビューを経ていないAI生成コンテンツが最低品質の例として挙げられた経緯があると報告されています。AIを下書きやリサーチの補助に使うこと自体は問題になりにくい一方で、事実確認と編集を人が行う工程は省けないと考えるのが安全です。

社内ライティングと外部ライター発注、どちらを選ぶか

BtoBメディアの運営者が現実的に判断を迫られるのが、記事を社内で書くか外部に発注するかという選択です。それぞれの特性を整理します。

観点 社内執筆 外部ライター発注
専門性 製品・業界知識を持つ人が書ける 業界知識の習得に時間がかかる
一次情報 実績・現場の知見を反映しやすい 提供された範囲でしか書けない
制作本数 担当者の稼働に依存し増やしにくい 人数を増やせば拡大しやすい
品質のばらつき 書き手ごとの文章力に左右される レギュレーションで一定水準を保ちやすい
コスト 人件費として見えにくい 費用が明確に発生する
立ち上げ負荷 低い レギュレーション整備・ディレクションが必要

実務では二者択一ではなく、構成とファクトは社内、執筆は外部、編集・校正は社内というように工程で分担する形がよく採られます。E-E-A-Tの観点で価値が出るのは自社の一次情報であり、その部分を外部に委ねると記事の差別化が難しくなるためです。

外部発注を選ぶ場合、最低限そろえておきたいのが次の3点です。

1つ目はレギュレーション(執筆ルール)です。 表記統一(英数字の全角・半角、送り仮名、専門用語の表記ゆれ)、一文の長さの目安、禁止表現、参照可能な情報源の範囲、参考文献の記載方法などを文書化します。ここが曖昧だと、記事ごとに表記が揺れ、校正工数が膨らみます。

2つ目はトンマナ(トーン&マナー)の定義です。 敬体・常体のどちらを使うか、読者への呼びかけ方、断定と推量の使い分け、どの程度カジュアルな表現を許容するかを決めます。サンプル記事を1〜2本用意して「この記事と同じ調子で」と示すのが、文章で説明するより早く伝わります。

3つ目は校正体制です。 誰がどの観点で確認するのかを決めておきます。実務では、事実確認(数値・出典・製品仕様)、表記・文法、構成と論点の妥当性、の3観点を分けて確認すると漏れが減ります。とくに製品仕様や実績数値は、ライターや編集者では正誤を判断できないため、社内の担当部署による確認工程を必ず挟む必要があります。

この3点は、社内執筆に絞る場合でも整備しておく価値があります。書き手が複数いれば表記もトーンも揺れますし、担当者が交代したときにルールが残っていなければ品質は簡単に崩れます。

まとめ

ウェブライティングは、画面上で拾い読みされることを前提に、必要な情報を最短距離で届けるための書き方です。ページ上の語句は2割程度しか読まれず、視線はF字を描いて動くという調査結果があるとおり、読者は文章を順に読んではくれません。

この記事で整理した要点は次のとおりです。

  • ウェブライティングは土台となる技術であり、その上にSEOライティングやコピーライティングという目的別の技術が乗る
  • Web媒体は離脱コストが低く、端末によって見え方が変わるため、紙媒体とは設計の前提が異なる
  • 求められるのは、素早く的確な情報提供、論理的な構成、ストレスのない文章、検索エンジンが読み取れる構造、スマートフォンでの可読性
  • 文章構成の型は、主張を伝えるPREP法(結論→理由→具体例→結論)と、事実を伝えるSDS法(概要→詳細→概要)を使い分ける
  • 制作手順は「リサーチ→構成作成→執筆→読み返し→編集・校正→公開」で、質の大半はリサーチと構成の段階で決まる
  • チェックポイントは、結論ファースト、一文一義、冗長表現の削減、箇条書き・表の活用、出典の明記、独自情報の有無などを校正時に確認する
  • コピー&ペーストや安易なリライトは著作権上のリスクを伴うため、社内外を問わず許容しないルールとして明示する
  • 社内執筆と外部発注は工程で分担する形が現実的で、レギュレーション・トンマナ・校正体制の3点は必ず整備する

技術としてのウェブライティングは、才能ではなく型と手順の積み重ねで習得できます。まずは各セクションを結論から書き始めること、そしてスマートフォン幅で自分の記事を読み返すことから着手すると、変化を実感しやすいはずです。

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