「マーケティングを強化しよう」と決めたものの、何から手をつければいいのか分からない。広告もSNSもセミナーも一通り試したが、施策がバラバラで成果につながっている実感がない——BtoB企業のマーケティング担当者から、こうした声をよく聞きます。原因の多くは、個々の施策の巧拙ではなく、市場分析から実行・評価までの一連の流れ、すなわちマーケティングプロセスが設計されていないことにあります。この記事では、マーケティングプロセスの定義と基本の6ステップ、フレームワークの使い分け、BtoBならではの注意点までを体系的に整理します。
マーケティングプロセスとは何か
マーケティングプロセスの定義
マーケティングプロセスとは、マーケティング戦略の立案から実行・評価までを順序立てて進める一連の流れを指します。市場と顧客の状況を把握し、狙う市場を決め、競合との差別化ポジションを定め、具体的な施策に落とし込み、実行して結果を評価する。この一連のステップを型として持つことで、担当者の勘や経験に依存しない、再現性のあるマーケティング活動が可能になります。
プロセスを踏まずに施策から入ると、次のような問題が起きがちです。
- 誰に向けた施策なのかが曖昧で、メッセージが誰にも刺さらない
- 競合との違いを説明できず、価格でしか比較されない
- 評価指標が決まっておらず、効果があったのかどうか判断できない
- 施策同士が連動せず、広告・コンテンツ・営業がバラバラに動く
逆に言えば、マーケティングプロセスは「施策を思いつく力」を補うものではなく、限られた予算と人員をどこに集中させるかを決めるための意思決定の手順です。
コトラーの「R-STP-MM-I-C」との対応関係
マーケティングプロセスを語るうえで避けて通れないのが、「現代マーケティングの父」と称されるフィリップ・コトラーが提唱したとされるR-STP-MM-I-Cという整理です。各アルファベットは以下の工程を表します。
| 記号 | 英語 | 内容 |
|---|---|---|
| R | Research | 市場調査・環境分析・顧客分析 |
| S | Segmentation | 市場を一定の基準で細分化する |
| T | Targeting | 細分化した市場から狙う層を選ぶ |
| P | Positioning | 競合に対する自社の立ち位置を定める |
| MM | Marketing Mix | 4P・4Cなど具体的な施策の組み合わせを設計する |
| I | Implementation | 施策を実行する |
| C | Control | 結果を分析し、改善につなげる |
一般的に解説される「マーケティングプロセスの6ステップ」は、このR-STP-MM-I-CのSTPを3つに分解し、I(実行)とC(評価)をひとまとめにしたものです。つまり6ステップとR-STP-MM-I-Cは別物ではなく、同じ流れの区切り方が違うだけと理解して問題ありません。
「プロセスマーケティング」との違い(混同注意)
検索の際に混同されやすいのが、「マーケティングプロセス」と「プロセスマーケティング」です。この2つはまったく別の概念です。
- マーケティングプロセス:戦略立案から実行・評価に至る「手順・流れ」のこと。本記事の主題。
- プロセスマーケティング:商品やサービスが完成するまでの制作過程そのものをコンテンツとして発信し、共感や関係性を生む手法。「プロセスエコノミー」(完成品というアウトプットだけでなく、そこに至る過程自体が価値と収益を生むという考え方)をマーケティングに応用した文脈で語られます。
プロセスマーケティングは、開発の裏側や試行錯誤、意思決定の理由を公開することで、購入前から顧客を巻き込み、ファンを育てる発想です。BtoBでも、プロダクト開発の経緯や導入プロジェクトの舞台裏を発信する形で活用されています。ただしこれは数ある施策の一つであり、マーケティングプロセスという上位の枠組みの中で「Promotion/Communication」に位置づけられるもの、と整理すると混乱しません。
マーケティングプロセスの基本6ステップ
一般的なマーケティングプロセスは、次の6ステップで構成されます。
| ステップ | 名称 | 主な問い | 代表的なフレームワーク |
|---|---|---|---|
| 1 | マーケティングリサーチ(環境分析) | 市場と自社の現状はどうなっているか | PEST分析・3C分析・SWOT分析 |
| 2 | セグメンテーション | 市場をどう切り分けるか | 4つの変数(地理・人口動態・心理・行動) |
| 3 | ターゲティング | どのセグメントを狙うか | 6R |
| 4 | ポジショニング | 競合に対しどう違いを出すか | ポジショニングマップ |
| 5 | マーケティングミックス | 何をどう届けるか | 4P分析・4C分析 |
| 6 | 実行と評価 | 実行して何が起きたか、次にどう直すか | KGI・KPI・PDCA |
順番には意味があります。市場を理解しないままターゲットは選べず、ターゲットが決まらなければ価格も流通もプロモーションも決められないためです。この依存関係を無視して途中から始めると、後工程の判断根拠が空洞になります。
1. マーケティングリサーチ(市場分析):PEST・3C・SWOT分析
最初のステップは、自社を取り巻く環境の把握です。ここで使われる代表的なフレームワークは3つあり、扱う範囲が異なるため役割分担を理解して使い分けます。
| フレームワーク | 対象範囲 | 構成要素 |
|---|---|---|
| PEST分析 | マクロ外部環境(自社が制御できない要因) | Politics(政治)/Economy(経済)/Society(社会)/Technology(技術) |
| 3C分析 | ミクロ環境(外部+内部) | Customer(顧客・市場)/Competitor(競合)/Company(自社) |
| SWOT分析 | 内部要因と外部要因の統合 | Strength(強み)/Weakness(弱み)/Opportunity(機会)/Threat(脅威) |
実務では、PEST → 3C → SWOT の順で進めると整理しやすくなります。まずPEST分析で法規制の変化や技術トレンドといった大きな流れを押さえ、次に3C分析で顧客ニーズ・競合の動き・自社の状況というミクロな環境を掘り下げます。その両方が見えた段階でSWOT分析を行うと、機会と脅威(外部)、強みと弱み(内部)を根拠を持って書き出せます。逆にいきなりSWOTから始めると、「強み」の欄に社内で思いついたことを並べるだけになり、市場での通用性が検証されません。
このステップでのアウトプットは、「この市場に何が起きていて、その中で自社は何を武器にできるのか」を言語化した一枚です。定性的な情報だけでなく、市場規模や成長率、競合のシェアといった数字を1つでも入れておくと、後の判断がぶれにくくなります。
2. セグメンテーション(市場の細分化)
セグメンテーションは、多様なニーズが混ざった市場を、似た性質を持つ集団ごとに切り分ける工程です。全員に向けた商品は誰の心にも深く刺さらないため、意味のある単位で市場を分解します。
細分化の切り口には、主に4つの変数が使われます。
| 変数 | 内容 | BtoBでの例 |
|---|---|---|
| 地理的変数 | 国・地域・都市規模・気候など | 首都圏/地方、拠点数 |
| 人口動態変数 | 年齢・性別・所得・職業など(BtoBでは企業属性) | 業界、従業員規模、年商、部門 |
| 心理的変数 | 価値観・ライフスタイル・志向 | 保守的か先進的か、内製志向か外注志向か |
| 行動変数 | 購買頻度・使用状況・求めるベネフィット | 導入ツールの有無、検討フェーズ、利用頻度 |
BtoBでは「業界×従業員規模」だけで切ってしまいがちですが、それだけでは同じセグメント内にニーズの異なる企業が混在します。「どんな課題を抱えているか」という行動・心理面の変数を必ず1つ加えると、後のメッセージ設計が格段に楽になります。
3. ターゲティング(狙う市場を選ぶ)
細分化したセグメントの中から、自社の強みを最も発揮できる市場を選ぶのがターゲティングです。判断を主観に頼らないための指標として、6Rがよく用いられます。
- Realistic scale(有効な市場規模):事業として成立する規模があるか
- Rate of growth(成長率):今後伸びる市場か
- Rival(競合状況):競合が強すぎないか、勝ち筋があるか
- Rank / Ripple effect(優先順位・波及効果):他市場への影響力を持つ層か
- Reach(到達可能性):自社のチャネルで届くか
- Response(測定可能性):反応を計測し、評価できるか
特に見落とされやすいのがReachとResponseです。魅力的な市場でも、自社の営業体制や広告予算では届かない、あるいは効果を計測できないのであれば、実行段階で必ず行き詰まります。「規模が大きい」だけでターゲットを決めないことが重要です。
4. ポジショニング(差別化の軸を決める)
ポジショニングは、選んだターゲットの頭の中で、自社が競合とどう違う存在として記憶されるかを設計する工程です。実務ではポジショニングマップ(縦横2軸のマトリクス)を使い、競合各社と自社を配置して空白地帯を探します。
このとき軸の選び方が結果を左右します。押さえるべき条件は次の3つです。
- 顧客が購買判断で実際に重視している軸であること(自社が語りたい軸ではない)
- 競合と差がつく軸であること(全社が同じ位置なら差別化にならない)
- 自社が継続的に維持できる軸であること(すぐ真似される要素は選ばない)
「価格の安さ」は3つ目の条件を満たしにくく、価格競争に巻き込まれる典型です。BtoBであれば、特定業界への理解の深さ、導入後の伴走支援、既存システムとの連携のしやすさなど、模倣にコストがかかる要素を軸に据えるほうが持続します。
5. マーケティングミックス(4P・4C)
ターゲットとポジショニングが決まったら、それを実現する具体的な要素の組み合わせ=マーケティングミックスを設計します。基本となるのが、1960年にジェローム・マッカーシーが提唱した4Pです。
- Product(製品):機能、品質、ラインナップ、保証、サポート
- Price(価格):価格帯、料金体系、割引、支払条件
- Place(流通):販売チャネル、代理店、オンライン/オフラインの導線
- Promotion(プロモーション):広告、コンテンツ、展示会、営業活動
一方、企業視点に偏りがちな4Pを顧客視点に置き換えたのが、ロバート・ラウターボーンが提唱した4Cです。両者は対立する概念ではなく、同じ内容を裏表から見たものです。
| 4P(企業視点) | 4C(顧客視点) | 顧客側の問い |
|---|---|---|
| Product(製品) | Customer Value(顧客にとっての価値) | この製品は自分のどんな課題を解決するのか |
| Price(価格) | Cost(顧客が負担するコスト) | 金額・手間・時間に見合う価値があるか |
| Place(流通) | Convenience(利便性) | 買いやすいか、導入しやすいか |
| Promotion(販促) | Communication(コミュニケーション) | 疑問に答えてもらえるか、対話できるか |
実務では、まず4Pで自社の打ち手を洗い出し、次に4Cで一つずつ顧客側から検証するという二段構えが有効です。たとえばPriceを検討する際、4Cの「Cost」の視点に立つと、価格そのものだけでなく、導入時の初期設定工数や社内説明の負担といった金銭以外のコストが見えてきます。BtoBではこの非金銭コストが受注を左右することが少なくありません。
なお、4Pの要素同士に矛盾がないかも確認が必要です。高価格・高品質のポジショニングを掲げながら、割引を前面に出したプロモーションを行えば、顧客の認識は混乱します。4つの要素がポジショニングを一貫して支えているかが、このステップの品質を決めます。
6. 実行と評価(Implementation・Control)
最後が施策の実行と、その結果の評価です。ここが形骸化すると、プロセス全体が「作って終わりの資料」になります。押さえるべきは次の3点です。
- 実行前に評価指標を決める:KGI(最終目標)とKPI(中間指標)を、施策を始める前に設定する
- 計測できる形で設計する:どのデータを、どのツールで、誰が、どの頻度で見るかまで決めておく
- 仮説と結果を対応させて振り返る:数値の増減だけでなく、どの前提が外れたのかを特定する
たとえばBtoBで「新規商談数の増加」をKGIに置くなら、KPIは「サイト流入数」「資料ダウンロード数」「有効リード数」「商談化率」といった段階に分解します。分解しておくことで、成果が出なかったときに流入が足りないのか、リードの質が悪いのか、営業への引き渡しが機能していないのかを切り分けられます。
評価の結果は、次のサイクルでどのステップに戻るかの判断材料になります。商談化率が低いならターゲティングやポジショニングの見直し、流入が伸びないならプロモーション設計の見直し、というように、PDCAは施策単位ではなくプロセス単位で回すのが本来の姿です。
マーケティングプロセスを実行する上でのポイント
目的とKGI・KPIを先に揃える
最も多い失敗が、リサーチを始めてから「そもそも何のためにやっているのか」が曖昧になるパターンです。着手前に「このプロセスを回して何を達成したいのか」を一文で書き出すことをおすすめします。売上を伸ばしたいのか、新規領域に参入したいのか、既存顧客の解約を減らしたいのかによって、必要なリサーチの範囲もターゲティングの基準もまったく変わります。
あわせてKGI・KPIも初期段階で仮置きします。後から決めると、都合のよい数字を選んでしまい、評価が自己正当化になりがちだからです。
STPを「顔が見えるレベル」まで具体化する
STPが抽象的なままだと、マーケティングミックス以降がすべてぼやけます。「中堅製造業」で止めず、「従業員300〜1,000名の部品メーカーで、生産管理をExcelで運用しており、担当者の退職リスクを課題と感じている企業の管理部門長」というレベルまで解像度を上げます。ここまで具体化すると、掲載すべきメディア、書くべきコンテンツ、営業が最初に聞くべき質問まで自動的に決まってきます。
実行体制と役割分担、データの取り方を先に決める
戦略が優れていても、実行できる体制がなければ絵に描いた餅です。着手前に、誰が何を担当し、外注する範囲はどこで、意思決定は誰が行うかを明確にします。特にBtoBではマーケティングと営業(インサイドセールスを含む)の連携が成果を左右するため、リードの定義や引き渡し基準を両部門で合意しておくことが欠かせません。
データについても、「後で分析しよう」では手遅れになります。必要な指標を先に決め、それが取得できる状態を作ってから施策を開始するのが鉄則です。
BtoBとBtoCでのマーケティングプロセスの違い
6ステップという枠組み自体はBtoB・BtoCで共通ですが、顧客の購買の仕方が違うため、各ステップの重み付けが変わります。
| 観点 | BtoC | BtoB |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 基本的に本人1人 | 複数人(部門横断の関与者) |
| 検討期間 | 短い(即日〜数週間) | 長い(数か月〜1年以上) |
| 判断基準 | 感情・好み・価格が影響しやすい | 費用対効果、導入リスク、社内承認の通りやすさ |
| 必要な材料 | 商品情報、口コミ | 比較資料、導入事例、見積、稟議に使える根拠 |
| 対象母数 | 大きい | 小さく、企業ごとの違いが大きい |
| プロセス上の重点 | セグメンテーション/プロモーション | ターゲティングの精度/リードの育成と評価設計 |
BtoBの購買プロセスは、一般に「課題認識 → 情報収集 → 比較検討 → 意思決定(社内承認) → 購買・導入」の5段階で説明されます。加えて、複雑なソリューションの購買では複数の関与者が意思決定に加わることが調査で指摘されており、Gartnerは複雑なBtoB購買における意思決定関与者を概ね6〜10人規模としています(案件の規模が大きくなるほど関与者はさらに増える傾向があります)。
この構造から導かれる実務上の示唆は次の3点です。
- 関与者ごとに刺さる材料が違う。現場担当者には使いやすさ、情報システム部門にはセキュリティと連携性、経営層には投資対効果。同じ製品でも訴求を出し分ける必要があります。
- 検討期間が長いため、育成(ナーチャリング)の設計が必須。初回接触から受注まで数か月かかる前提で、メルマガやセミナー、事例コンテンツを通じた継続接触を仕組みにします。
- 社内で他人を説得するための材料を用意する。担当者が上司や他部門を説得できなければ商談は進みません。稟議に転用できる比較表やROI試算のフォーマットは、それ自体が有力な販促物になります。
一方BtoCでは、母数が大きく意思決定が速いぶん、セグメンテーションの切り口と、そこに届けるプロモーションの表現力が成果を大きく左右します。
マーケティングプロセスのよくある疑問
Q. マーケティングの3つのプロセスとは? 大きく「リサーチ(市場理解)→ 戦略(STP)→ 実行と評価(MM・実行・改善)」の3段階に集約する捉え方です。R-STP-MM-I-Cを圧縮したもので、6ステップと矛盾しません。全体像を関係者に説明するときは、この3分類が最も伝わりやすいでしょう。
Q. マーケティングプロセスの4つとは? 文脈により異なりますが、多くはマーケティングミックスの4P(Product・Price・Place・Promotion)を指します。あるいはR-STP-MM-I-Cを「調査・戦略立案・施策設計・実行と評価」の4区分にまとめた説明を指す場合もあります。
Q. マーケティングの6つのプロセスとは? 本記事で解説した、リサーチ/セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング/マーケティングミックス/実行と評価の6ステップです。
Q. 6ステップは毎回すべて必要ですか? 新規事業や新商品の立ち上げでは、6ステップすべてを順に踏むべきです。一方、既存事業の改善では、STPは前提として固定し、マーケティングミックスと実行・評価だけを速く回すことも現実的です。ただし四半期や半期に一度は環境分析まで遡って前提を点検することをおすすめします。市場や競合が変われば、正しかったターゲティングも陳腐化するためです。
Q. 4Pと4Cはどちらを使うべきですか? どちらか一方ではなく、両方を対で使うのが実務的です。4Pで自社の打ち手を設計し、4Cで顧客視点から検証する。「自社が売りたい形」と「顧客が買いたい形」のズレを発見するのが4Cの役割です。
Q. マーケティング分析のプロセスは? 一般には「目的の設定 → データ収集 → 集計・可視化 → 解釈と仮説立案 → 施策への反映」という流れです。重要なのは最初と最後で、目的なしに集めたデータは解釈できず、施策に反映されない分析は成果を生みません。
Q. 採用マーケティングのプロセスは? マーケティングの考え方を採用活動に応用したもので、候補者が「認知 → 興味・関心 → 応募 → 選考 → 入社」に至る流れを設計し、各段階に施策を配置します。3C分析やSWOT分析、4Pといったフレームワークをそのまま採用領域に転用できる点が特徴で、マーケティングプロセスの応用例といえます。
Q. 中小企業はどこから着手すべきですか? リソースが限られる場合は、3C分析とターゲティングの2点に絞るのが効果的です。既存の受注実績を洗い出し、「利益が出て、満足度が高く、再現できそうな顧客」の共通点を探すだけでも、実質的なターゲティングになります。大掛かりな市場調査を外注する前に、手元の顧客データを見直すほうが投資対効果は高くなります。
まとめ
マーケティングプロセスとは、マーケティング戦略の立案から実行・評価までを順序立てて進める一連の流れです。基本は、①マーケティングリサーチ(PEST・3C・SWOT)、②セグメンテーション、③ターゲティング、④ポジショニング、⑤マーケティングミックス(4P・4C)、⑥実行と評価、の6ステップ。これはコトラーが提唱したとされるR-STP-MM-I-Cと同じ流れを、区切り方を変えて表現したものです。
制作過程そのものを発信する手法である「プロセスマーケティング」とは別概念である点、そして6ステップの順番には前工程が後工程の前提になるという依存関係がある点は、混同しやすいので押さえておきたいところです。
実行段階では、目的とKGI・KPIを着手前に決めること、STPを人物像が浮かぶレベルまで具体化すること、実行体制とデータ取得方法を先に設計することの3点が成否を分けます。またBtoBでは、意思決定に複数の関与者が関わり検討期間も長いため、関与者ごとの訴求の出し分けとリード育成の設計が、BtoCよりも大きな比重を占めます。
フレームワークは、埋めること自体が目的ではありません。限られた資源をどこに集中させるかを決めるための道具として使い、実行と評価まで一周させてはじめて、マーケティングプロセスは組織の資産になります。
