Wordでアンケートテンプレートを作成する方法とは?作り方の手順とコツを解説

word アンケートテンプレート Webサイト構築

「アンケートを実施したいが、専用ツールを導入するほどでもない」「使い慣れたWordでそのままアンケート用紙を作れないだろうか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。Wordはチェックボックスやドロップダウンリストといった入力機能を備えており、工夫すれば実用的なアンケートテンプレートを無料で作成できます。この記事では、Wordでアンケートを作成する基本の流れから、目的別のテンプレート例、Excelでの集計方法、回答率を高める設計のコツ、そして注意点までを順を追って解説します。

Wordでアンケートを作成する基本の流れ

Wordでアンケートを作成する場合、単に文章を打ち込むだけでなく、回答者が選びやすいチェックボックスや選択式のドロップダウンといった「コンテンツコントロール」を活用すると、回答しやすく集計もしやすいアンケート用紙になります。ここでは、開発タブの表示から入力欄の保護までを一連の流れとして紹介します。バージョンやMicrosoft 365の更新によって名称や配置が異なる場合があるため、細部はお使いの環境で確認しながら進めてください。

開発タブを表示する

チェックボックスやドロップダウンリストなどの入力機能は、リボンの「開発」タブにまとまっています。この開発タブは既定では非表示になっているため、まず表示させる設定が必要です。

一般的な手順は次のとおりです。まず「ファイル」メニューから「オプション」を開き、「リボンのユーザー設定」を選択します。右側のタブ一覧の中にある「開発」のチェックボックスをオンにして「OK」をクリックすると、リボンに開発タブが追加されます。リボンの空いている部分を右クリックして「リボンのユーザー設定」を選ぶ方法でも同じ画面にたどり着けます。設定後は「表示」タブや「ヘルプ」タブの近くに「開発」タブが現れていれば準備完了です。

テキストボックス・表を挿入する

アンケートの骨組みは、質問文と回答欄で構成されます。自由記述の回答欄や、回答項目を整然と並べたい場合には、テキストボックスや表を活用すると便利です。

「挿入」タブから表を追加し、左の列に設問、右の列に回答欄を配置すると、レイアウトが崩れにくく見やすいアンケートになります。氏名・部署・年代といった属性を尋ねる欄や、意見を記述してもらう自由回答欄は、表のセルを使って区切ると回答者にとっても分かりやすくなります。設問ごとに枠を設けることで、紙に印刷して配布する場合でも記入場所が明確になります。

チェックボックスを挿入する

選択式の設問には、クリックでオン・オフを切り替えられるチェックボックスが役立ちます。複数の選択肢から当てはまるものを選んでもらう形式に向いています。

チェックボックスを入れたい位置にカーソルを置き、「開発」タブの「コントロール」グループにある「チェックボックスコンテンツコントロール」をクリックします。すると四角いチェックボックスが挿入され、その右側に選択肢の文言を入力していきます。画面上でクリックするとチェックマークが入るため、PC上で回答してもらう電子ファイル形式のアンケートでも扱いやすいのが特徴です。「はい・いいえ」の二択や、複数選択の設問など、幅広い用途に対応できます。

ドロップダウンリストを挿入する

年代や役職、満足度の段階など、あらかじめ決まった選択肢から1つを選んでもらう設問には、ドロップダウンリストが適しています。回答者は用意された項目から選ぶだけで済むため、表記のばらつきを防げます。

挿入したい箇所にカーソルを置き、「開発」タブの「コントロール」から「ドロップダウンリストコンテンツコントロール」を実行します。挿入した状態では選択肢が空のため、コントロールを選択したまま「プロパティ」を開き、「追加」ボタンから選択肢を1つずつ登録していきます。「20代」「30代」「40代」といった項目を設定しておけば、回答者はプルダウンから該当するものを選ぶだけで回答できます。選択肢が固定されるため、後の集計作業でも表記の統一が図れます。

入力欄以外を編集できないよう保護する

回答者に配布したとき、質問文そのものを書き換えられてしまったり、レイアウトが崩されてしまったりすると集計に支障が出ます。これを防ぐのが「編集の制限」機能です。

「開発」タブの「編集の制限」(バージョンによっては「保護」グループ内)を開き、「ユーザーに許可する編集の種類を指定する」にチェックを付けます。その下のリストから「フォームへの入力」を選び、「はい、保護を開始します」をクリックします。パスワードの入力画面が表示されるので、必要に応じて設定します。この保護をかけると、回答者は挿入されたコンテンツコントロールの部分にしかカーソルを置けなくなり、質問文や文書全体のフォント・段落設定は固定されます。パスワードを設定しておけば、作成者以外が勝手に保護を解除して編集することも防げます。

目的別に使えるアンケートテンプレートの例

アンケートは目的によって尋ねるべき項目が大きく変わります。顧客満足度を測りたいのか、イベントの改善につなげたいのか、社内の課題を洗い出したいのかによって、設問の設計が変わってくるのです。ここでは、代表的な用途ごとに、質問項目の傾向をテンプレートの形で整理します。自社の目的に近いものをベースにカスタマイズすると、ゼロから作るより効率的にアンケートを設計できます。

テンプレートの種類 主な目的 質問項目の傾向
顧客満足度調査 商品・サービスへの評価把握と改善 総合満足度、項目別の満足度(価格・品質・対応など)、継続利用意向、他者への推奨度、自由記述の要望
セミナー・イベント参加者アンケート 開催内容の評価と次回への改善 参加のきっかけ、内容の満足度、時間配分、講師・登壇者の評価、今後取り上げてほしいテーマ
展示会・来場者アンケート リード獲得と関心分野の把握 来場目的、関心のある製品・サービス、導入検討時期、資料請求の希望、連絡先
社内・従業員満足度調査 職場環境や制度の課題抽出 仕事内容への満足度、人間関係、評価制度、労働環境、会社への総合的な満足度、改善要望
市場調査 需要やニーズの定量把握 認知度、利用経験、購入・利用の頻度、重視する点、価格帯への意識、属性情報

上の表のように、顧客満足度調査であれば段階評価とその理由をセットで尋ねる設計が基本になります。イベント向けアンケートでは、満足度に加えて「次回取り上げてほしいテーマ」など次の施策につながる質問を入れると効果的です。市場調査では、年代や職業といった属性情報を組み合わせることで、回答をセグメントごとに分析できるようになります。

Wordで作成する際は、選択式の設問にはチェックボックスやドロップダウンを、詳しい意見を集めたい部分には自由記述欄を配置するとバランスが取れます。企業や団体のロゴを入れたり、デザインを整えたりできる点も、Wordならではの利点です。

Wordで作成したアンケートの回答を集計する方法

Wordで作ったアンケートを回収したあと、多くの場合は回答内容をExcelに転記・入力して集計します。Word自体には自動集計の機能がないため、回答結果を数値として扱えるExcelに移し、関数を使って件数を数えるのが一般的な流れです。ここでは、単一回答と複数回答それぞれの集計方法を紹介します。

単一回答の集計

1つの設問に対して1つだけ回答を選ぶ「単一回答」の集計には、COUNTIF関数がよく使われます。COUNTIFは、指定した範囲の中で特定の条件に一致するセルの数を数える関数です。

たとえば、回答者ごとの回答を1列に入力したうえで、「=COUNTIF(範囲,検索条件)」の形式で使います。「満足」と回答した人数を数えたい場合は、検索条件に「満足」を指定すれば該当する件数が返ります。関数をコピーしても範囲がずれないよう、集計対象の範囲には「$B$2:$B$300」のように絶対参照の「$」を付けておくと安全です。選択肢ごとに同じ関数を並べれば、各項目の回答数が一覧で把握できます。

複数回答の集計

「当てはまるものをすべて選んでください」といった複数回答(複数選択)の設問は、単一回答より少し工夫が必要です。おすすめは、選択肢ごとに列を分け、選んだ場合は「1」、選ばなかった場合は「0」または空欄を入力する形式にする方法です。

この形にしておけば、各選択肢の列でCOUNTIF関数を使って「1」の数を数えるだけで、選択肢ごとの回答数が求められます。複数の列にまたがってカウントしたい場合は、COUNTIFの範囲に複数列を指定することも可能です。さらに、性別や年代といった条件を掛け合わせて集計したいときは、複数の条件を同時に指定できるCOUNTIFS関数を使うと便利です。「=COUNTIFS(範囲1,検索条件1,範囲2,検索条件2)」の形式で、属性別のクロス集計にも対応できます。集計後は円グラフや棒グラフに加工すれば、分析結果を資料としても活用しやすくなります。

回答率を高めるアンケート設計のコツ

せっかくアンケートを作成しても、回答が集まらなければ意味のあるデータになりません。回答率は、質問の内容や並べ方といった設計次第で大きく変わります。ここでは、回答者の負担を減らし、最後まで答えてもらうための設計のコツを紹介します。

設問数を絞り込む

回答者は、質問数が多いアンケートを見ただけで負担を感じ、途中で離脱しやすくなります。回答率を高める最も基本的なコツは、設問数を必要最小限に絞り込むことです。

アンケートを設計する際は、「この質問で得た回答を、どの施策や分析にどう使うのか」を一問ごとに考えてみましょう。目的が明確でない設問は思い切って削ることで、回答者の負担が減り、回収率が上がります。どうしても項目が多くなる場合は、必須の設問と任意の設問を分けたり、選択式を中心にして記述の手間を減らしたりする工夫も有効です。回答にかかる所要時間の目安を冒頭に示しておくのも、回答者への配慮になります。

時系列に沿って設問を並べる

質問の順番は、回答のしやすさに直結します。設問は、回答者の体験や思考の流れ、つまり時系列に沿って並べると答えやすくなります。

たとえばセミナー参加者へのアンケートであれば、「参加したきっかけ」→「当日の内容の満足度」→「今後への要望」というように、体験の順番に沿って設問を配置します。話題があちこちに飛ぶ構成だと、回答者は毎回頭を切り替える必要があり、負担が増えてしまいます。また、答えやすい選択式の質問を前半に置き、じっくり考える必要のある自由記述を後半に回すことで、途中離脱を防ぎやすくなります。

回答するメリットを伝える

回答者は、時間を割いてまで答える理由がなければ協力してくれません。回答率を高めるには、アンケートに答えることで回答者側にどんなメリットがあるのかを伝えることが大切です。

「いただいた声をサービス改善に反映します」といった目的の提示や、回答者への特典・プレゼントの用意は、回答意欲を高める代表的な施策です。あわせて、回答が匿名で扱われることや、個人情報の取り扱い方針を明記しておくと、安心して回答してもらいやすくなります。メールでアンケートを配布する際は、依頼文やURLの案内に、所要時間と回答するメリットを簡潔に添えると効果的です。

Wordでアンケートを作成する際の注意点

Wordは手軽にアンケートを作れる便利なツールですが、万能ではありません。用途によってはWordが不向きなケースもあります。作成に着手する前に、あらかじめ弱点を理解しておくと、後で作り直す手間を避けられます。

レイアウトが崩れやすく共同編集に不向き

Wordは文書作成ソフトであるため、チェックボックスや表を多用したアンケートでは、環境によってレイアウトが崩れやすいという難点があります。フォントの有無やバージョンの違いによって、作成者の意図した見た目どおりに表示されないことがあるのです。

また、Wordファイルは複数人でリアルタイムに同時編集する用途には必ずしも向いていません。ファイルをメールで送り合って回収する運用になると、バージョンの管理が煩雑になりがちです。回答ファイルが手元にばらばらに集まり、どれが最新かが分からなくなるといった事態も起こり得ます。大人数を対象に配布・回収する場合は、この点が運用上のハードルになります。

集計が手作業になり時間がかかる

前述のとおり、Wordには回答を自動で集計する機能がありません。回収したアンケートの内容は、一件ずつExcelなどに手入力して集計する必要があります。

回答者が数名程度であれば大きな問題にはなりませんが、回答が数十件・数百件と増えるほど、転記の作業量は膨れ上がります。手作業での入力は時間がかかるだけでなく、入力ミスによる集計エラーのリスクも伴います。リアルタイムに回答状況を把握したい場合や、大規模な調査を継続的に実施したい場合には、この集計の手間が大きな負担となる点に注意が必要です。

Word以外でアンケートを作成する方法(Googleフォーム・Webアンケートツール)

Wordの弱点である「集計の手間」や「配布・回収の煩雑さ」を解消したい場合は、Web上でアンケートを作成・回収できるツールの活用が選択肢になります。代表的なものがGoogleフォームです。

Googleフォームは無料で利用でき、選択式や記述式などさまざまな形式の設問を直感的に作成できます。最大の利点は、回答が自動で集計される点です。回答結果はリアルタイムでグラフに可視化されるうえ、Googleスプレッドシートと連携させれば、回答内容が自動で記録され、手入力の作業なしにそのまま分析へ移れます。円グラフや棒グラフへの加工も容易で、プレゼンや報告用の資料づくりにも活用しやすくなっています。作成したアンケートはURLやメールで配布でき、回答者はスマートフォンからでも手軽に回答できるため、回収率の向上も期待できます。

Googleフォーム以外にも、企業向けに高度な設問分岐やデザインのカスタマイズ、クロス集計・分析機能を備えた専用のWebアンケートツール・フォーム作成サービスが数多く提供されています。用途や回答者の規模、分析の要件に応じて、次のように使い分けるとよいでしょう。

作成手段 向いているケース 主な特徴
Word 少人数への配布、紙での回収、社内での簡易な調査 使い慣れた操作で作成できる、デザインの自由度が高い、集計は手作業
Googleフォーム 無料で手早く実施したい、Web回収・自動集計をしたい 無料、回答の自動集計・グラフ化、スプレッドシート連携、スマホ対応
Webアンケートツール 大規模調査、本格的な分析、高度なカスタマイズが必要 設問分岐やクロス集計などの分析機能、デザイン・機能が充実

このように、少人数を対象に紙で配布するならWord、Web上で手早く集計まで済ませたいならGoogleフォーム、本格的なマーケティング調査や大規模な分析が必要なら専用ツール、というように目的に応じて使い分けるのが効率的です。

まとめ

Wordでは、開発タブを表示してチェックボックスやドロップダウンリストなどのコンテンツコントロールを挿入し、「編集の制限」で入力欄以外を保護することで、実用的なアンケートテンプレートを無料で作成できます。目的に応じて、顧客満足度調査・イベントアンケート・従業員満足度調査・市場調査など、尋ねるべき項目を設計することが重要です。

回収した回答はExcelに転記し、単一回答はCOUNTIF関数、複数回答は選択肢ごとに「1」「0」を入力してカウントする方法で集計できます。回答率を高めるには、設問数を絞り込み、時系列に沿って設問を並べ、回答するメリットを伝えることがポイントです。

一方で、Wordはレイアウトが崩れやすく共同編集に不向きで、集計が手作業になるという弱点もあります。大人数への配布や自動集計を求める場合は、回答が自動で集計されスプレッドシートと連携できるGoogleフォームや、分析機能が充実した専用のWebアンケートツールも検討し、目的や規模に合わせて手段を使い分けるとよいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました